2017年3月9日2 分

牡丹桜の訪問着

ご注文頂いていた牡丹桜の訪問着ができあがりました。
 

 
「ティファニーブルーの空を背景に牡丹桜があざやかに咲いている。そのような光景を夢に見た。そのイメージをきものに描いてほしい。」というお客様の依頼で制作しました。生地は地模様に霞が織り込まれた千八織(せんぱちおり)の駒緞子。

牡丹桜(八重桜)は4月中旬頃から見頃を迎える遅咲きの桜。
 

 
春の喧騒が落ち着いた頃、優雅に開花します。

桜も人も遅咲きは長く咲くのが良いところ。
 

 
いつもお元気なお客様に常若の祈りを込めて。

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※千八織(せんぱちおり)
 

 
ジャガード(織機)の口数(針本数)が1800本ある織機を使った織物のこと。
 

 
ジャガードは、400、600、900、1200など、口数が大きくなればなるほど、繊細な柄を織る事ができる。
 

 
織機がおよそ5,000台ある丹後産地でも、この織機は非常に珍しく
 

 
数軒の機屋が保有しているのみとなる。
 

 

 

 
※緞子(どんす)
 

 
中国宋代に始まった精妙な織物のこと。
 

 
布面がやわらかくて光沢が美しく、重量感があるのが特徴。
 

 
繻子(しゅす)組織によって、模様を表した絹の紋織物のことを指す。
 

 
現在では、歴史的な緞子とは異なる、地紋に光沢のある白生地の染下生地で繻子(しゅす)組織のものも緞子(どんす)と呼び、主に振袖や訪問着などに用いられている。

※常若(とこわか)
 

 
いつまでも変わらず、常に瑞々しい状態であること。

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