先日お誂えさせて頂いたピエールドゥロンサール(バラ)※の訪問着です。 生地は千八織(せんぱちおり)の緞子生地(どんす)※を使用、爽やかなお客様のイメージに合わせて地は黄浅緑色に染め上げました。 ピエールドゥロンサールは、14年前バラの振袖を作りたいというお客さまのご要望に応える形でご提案させていただいて以来、多くのお客様からご注文を頂いている人気の柄で、私たちの象徴的なモチーフともなっています。
※ピエールドゥロンサール 1987年にフランスで生まれたつるバラの品種のこと。 名前の由来は16世紀フランスの詩人にちなむ。 2006年のバラの世界大会では人類普遍の美を持つと認定され 栄誉殿堂入りをした。 (栄誉殿堂入りのバラは現在までわずか16種類) つるバラの女王とも呼ばれ、大輪ながら大きく開き過ぎない花のかたち、 幾重にも重なる花びらが美しく、また育てやすいのが特徴。 世界中で最も愛されるバラの一つとして知られている。
※千八織(せんぱちおり) ジャガード(織機)の口数(針本数)が1800本ある織機を使った織物のこと。 ジャガードは、400、600、900、1200など、口数が大きくなればなるほど、繊細な柄を織る事ができる。 織機がおよそ5,000台ある丹後産地でも、この織機は非常に珍しく 数軒の機屋が保有しているのみとなる。 ※緞子(どんす) 中国宋代に始まった精妙な織物のこと。 布面がやわらかくて光沢が美しく、重量感があるのが特徴。 繻子(しゅす)組織によって、模様を表した絹の紋織物のことを指す。 現在では、歴史的な緞子とは異なる、地紋に光沢のある白生地の染下生地で繻子(しゅす)組織のものも緞子(どんす)と呼び、主に振袖や訪問着などに用いられている。