お客様からのご注文で染めさせて頂いたカシミヤシルクのストールです。 ご要望に合わせてぼかし染めと無地染めで染めさせて頂きました。
こちらのストールは一般的に普及している高速織機ではなく 昔ながらの低速織機※で織られた生地を使用しています。
低速織機で織られたものは、生産効率が悪いため少々割高になりますが、 高速織機と比べると仕上がりの風合いが断然良いところが特徴です。
現代の高速織機は効率的である反面、高速で織られるため 経糸(たていと)は強いストレスを受け、織り目はきつく詰まり 風合いを損なうことに繋がってしまっています。
それに対し、低速で時間をかけて織り上げる低速織機は 生産効率は悪くなりますが、繊維を傷めることなく優しくゆっくり 織り進めることができるため、手織りに近いふっくらと優しい 風合いの生地に仕上げることができます。
日本国内の工場で織られている生地ですが、 現代は生産性を重視するためこうした低速で織り上げる織機を 使っている工場は珍しくなっています。
こちらの工場では使われなくなったヴィンテージの織機などを買い取り、 高速織機で織ることのできない生地にこだわったものづくりを されています。
独自開発された極細糸(カシミヤ28%シルク72%)を使用しているため、 重量は110x200cmのサイズでわずか52gと抜群に軽く※、 折りたためばハンカチ大になるため、携帯性にも優れています。
軽く、優しく、温かい、 ふんわりとした立体感と人間らしさを感じる風合いが 魅力のストールです。
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※ 低速織機(ていそくしょっき) 手織りの織機を省力化、合理化してできた初期の自動織機のこと。 主に明治大正期~1960年代頃まで使用されていた。 手織の織機に動力をつけただけのシンプルな構造で、 工程もほぼ同じなため、手織りに近い風合いの織物を織ることができる。 大量生産が可能な高速織機の台頭と共に生産中止となり、 国内での稼働台数は激減した。 現代的な生産効率は非常に悪いものの、風合いの良さから 根強いファンが多く、現代でも一部の工場で稼働し続けている。
※ 参考 : 一般的なBurberryのマフラーが30x178cmで150g。 板チョコ1枚が約50g。