伝統の技で新しい美を創造する。

 

江戸時代中期、京都、大阪で花開いた元禄文化。その代表格の一つである友禅染は、京都の扇絵師、宮崎友禅斎によって考案されました。

繊細、優美な表現を可能にした、糸目糊置き防染による、シンプルな文様染は三百年が経った今も、日本独自の染色技術としてその姿を残しています。

池内友禅は元禄以来、改善され伝承されてきた、糸目友禅染の技術を用いた、ものづくりをしている工房です。

京都の雅やかな文化を背景に持つ友禅染は、古くから優雅さ、花やかさの象徴でもありました。私たちは古典的な伝統を大切にしながら、現代を花やかに彩る、新しい友禅染のかたちを探求してまいります。

嵐山で染める特別な一品

 私たちは京都でも数少ない、手描友禅染のお誂えをしています。
個人のお客様、企業様問わず、訪問着から振袖、帯、和装小物、店舗用の装飾など、様々なご要望に合わせたものづくりを行なっています。

この業界では、作り手がお客様と直接対話することはほとんどありませんが、

当工房では、お客様に直接ご要望をお伺いし、特別な一品をつくり上げます。

池内友禅は家族で運営する小さな工房ですが、親身になってお客様のご要望と向き合えることが強みです。嵐山からほど近い、ものづくりの呼吸が感じられる空間で作家と作る京友禅をお楽しみください。

※既存の柄を利用したカスタムオーダーやオリジナル品の販売も行なっています。

手描友禅染について

江戸時代、元禄期(1688-1707)に京都の祇園町に住んでいた扇絵師の宮崎友禅斎によって考案された染色技法。

絹地に柔らかな色彩で描かれる繊細な図柄、金箔や金糸を使った美しい装飾は、その上品さ、花やかさから日本を代表する文様染めとして知られています。

友禅染の特徴である繊細で花やかな模様染め、それを可能にしているのは、彩色時の色の混合を防ぐために用いる「糸目糊置防染(いとめのりおきぼうせん)」という技法です。

糸目糊置防染染とは、防染に使う米糊(こめのり)やゴム糊を、糸目筒(いとめづつ/渋紙で作られた円錐型の筒に真鍮製の金具がついたもの)に流し込み、その金具の細い先から模様の輪郭に沿って糊を置いていく防染方法です。この技術により、1mm以下の細い糊で防染していくことが可能になり、友禅染の多彩な表現を生み出しています。「糸目」という言葉は、染め上がった際に、模様の輪郭に糸目状の白い線があらわれることからきています。糸目糊を使う友禅なので糸目友禅とも呼ばれます。

​作り手

池内路一

 

1947年、愛媛県松前町に生まれる。幼少期より自然の美しさを愛し、写生やデッサンに 没頭して過ごす。松山南高校デザイン学科を卒業後、京都の美しい友禅染めに憧れ、愛媛松山から上洛。京友禅作家、木原生長氏の元で10年間の弟子修行の後、1980年に独立。以降、大手呉服問屋の専属作家として約20年間活動。2002年、急速な呉服業界の衰退を危惧し、個人のお客様を対象としたお誂えをはじめる。以来「心の美を描く」という独立以来の想いを込めて、お客様一人一人の幸せを祈りながら制作に向き合っている。

 

1981年、京都市に生まれる。大学在学中、友禅作家であった父親の作品に感銘を受け、家業である手描友禅染めの道に入ることを決める。在学中より、型絵染作家 澁谷和子氏からデザインを学ぶ。2004年同志社大学商学部卒業。同年より父親に師事し、手描友禅染めの技法を学ぶ。

家業であるきもの作りと同時に、伝統的な技法に現代的な感性を掛け合わせ、ストール、服飾小物など過去と未来を繋ぐ新しい価値の創造にも挑戦している。

 

池内真広