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伝統の技で新しい美を創造する。

池内友禅は風情豊かな京都嵐山のほど近くにある手描友禅染の工房です。
1980年の創業以来、「彩り・潤い ・調和」をテーマに江戸時代から伝承されてきた

手描友禅染の技術を用いて、着物や帯の制作を行なっています。

四季折々の風景や草花を独自に文様化した情緒豊かな作風、手描友禅、臈纈、ぼかし染めなど複数の技法を織り交ぜた雅やかな表現、ぼかしを多用した柔らかく花やかな色彩が作品の特徴です。

工房は京都でも珍しい、お客様の雰囲気や個性に合わせお着物を制作する「お誂え」を中心にしています。 また、一般的に分業が主流の業界の中で、デザインから制作まで一貫して行なっている数少ない工房でもあります。「友禅染を通して日本の美しい心を伝える」ことを理念に、古典的な伝統を大切にしながら、伝統を未来につなぐ新しい取り組みにも積極的に挑戦しています。

嵐山で創る特別な一品

私たちは京都でも数少ない、糸目友禅染のお誂えを中心にしています。
個人のお客様、企業様問わず、訪問着から振袖、帯、和装小物、店舗用の装飾など、様々なご要望に合わせたものづくりを行なっています。

この業界では、作り手がお客様と直接対話することはほとんどありませんが、

当工房では、お客様に直接ご要望をお伺いし、特別な一品をつくります。

小さな工房ですが、親身になってお客様のご要望と向き合えることが強みです。嵐山からほど近い、ものづくりの呼吸が感じられる空間で作家と作る京友禅をお楽しみください。

※既存の柄を利用したカスタムオーダーやオリジナル品の販売も行なっています。

糸目友禅染について

江戸時代、元禄期(1688-1707)に京都の祇園町に住んでいた扇絵師の宮崎友禅斎によって考案された染色技法。

絹地に柔らかな色彩で描かれる繊細な図柄、金箔や金糸を使った美しい装飾は、その上品さ、花やかさから日本を代表する文様染めとして知られています。

友禅染の特徴である繊細で花やかな模様染め、それを可能にしているのは、彩色時の色の混合を防ぐために用いる「糸目糊置防染(いとめのりおきぼうせん)」という技法です。

糸目糊置防染染とは、防染に使う米糊(こめのり)やゴム糊を、糸目筒(いとめづつ/渋紙で作られた円錐型の筒に真鍮製の金具がついたもの)に流し込み、その金具の細い先から模様の輪郭に沿って糊を置いていく防染方法です。この技術により、1mm以下の細い糊で防染していくことが可能になり、友禅染の多彩な表現を生み出しています。「糸目」という言葉は、染め上がった際に、模様の輪郭に糸目状の白い線があらわれることからきています。糸目糊を使う友禅なので糸目友禅とも呼ばれます。

作り手について

池内路一

1947年、愛媛県松前町に生まれる。幼少期より自然の美しさを愛し、写生やデッサンに 没頭して過ごす。松山南高校デザイン学科を卒業後、京都の美しい友禅染めに憧れ、愛媛松山から上洛。京友禅作家、木原生長氏の元で10年間の弟子修行の後、1980年に独立。以降、大手呉服問屋の専属作家として約20年間活動。2002年、急速な呉服業界の衰退を危惧し、個人のお客様を対象としたお誂えをはじめる。以来「心の美を描く」という独立以来の想いを込めて、お客様一人一人の幸せを祈りながら制作に向き合っている。