夏のお茶事の着物としてご注文頂いた絽の訪問着ができあがりました。 生地は駒絽※、地色は薄浅葱、裾には同色のぼかしを入れて 意匠化した河原撫子※を染め上げました。 撫子はバランスを取るのが非常に難しい花で苦心の作となりました。




※駒絽(こまろ)夏用の着物に使用される透し織の絹織物「絽」の一種。独特のシャリ感があり、規則正しい間隔で入る横段が特徴。横段と横段の間に何本糸が入るかで5本駒絽、3本駒絽など名称が分かれる。江戸時代に夏用の衣料生地として発展した、新潟県五泉地方が産地として有名。※河原撫子(かわらなでしこ)大和撫子とも言われる。その繊細な草姿と優美な花は平安時代から日本女性の美しさに例えられ愛されてきた。秋の七草の一つとしても知られる。※着物では一足先に季節を先取りした絵模様を纏うことが粋とされる、秋の花が夏の着物に描かれるのはそのため。